1996 年 21 巻 1 号 p. 43-47
静岡県榛原郡の日本曹達 (株) 榛原農業研究所内の柑橘園において, 6年間で17回のヘキシチアゾクスによる圃場淘汰を行なった後に採集したミカンハダニ (Panonychus citri MCGREGOR) を用いた抵抗性への室内淘汰における実現遺伝率は0.835と推定された. 一方, 圃場における淘汰を開始する以前にこの柑橘園から採集した系統を用いた感受性への室内淘汰における実現遺伝率は0.051と推定された. この結果から, 抵抗性レベルが中程度の榛原系ミカンハダニの集団において, ヘキシチアゾクス抵抗性は遺伝性が高いことが示唆された.