Journal of Pesticide Science
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フェノバルビタールと3-メチルコラントレン誘導のラット肝ミクロソームチトクロームP450によるデルタメトリンの代謝
Jeffrey G. SCOTTMatthew A. ROBERTS
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1996 年 21 巻 1 号 p. 57-59

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抄録

ミクロソームに存在する cytochrome P450 monooxygenase はピレスロイド剤や有機リン剤などの殺虫剤の代謝に重要な役割を果している. 有機リン剤の代謝に関与するいくつかの cytochrome P450 のアイソフォームが同定されているのに, ピレスロイド剤の代謝に係わるP450についての知見は少ない. そこで, 私たちは phenobarbital (PB) 処理, 3-methylcholanthrene (3-MC) 処理および無処理のラットの肝ミクロソームを用いて14C標識の deltamethrin の代謝を比較した. PBまたは3-MCの処理によって pentoxyresorufin に対するO-脱アルキルと ethoxyresorufin に対するO-脱アルキルの活性上昇が誘導された. しかし, 14C-deltamethrin の代謝はPBまたは3-MCの処理によって影響を受けなかった. この結果は, PBおよび3-MCによって誘導される cytochrome P450 が deltamethrin の代謝に関与していないことを示唆している. ラットの有機リン剤とピレスロイド剤の代謝に関与するP450アイソフォームの明らかな相違についても検討した.

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