2000 年 25 巻 1 号 p. 10-17
殺虫剤オキサミルを測定するため, 間接競合ELISA法が確立された. 4種類の免疫用ハプテンと3種類の分析用ハプテンを合成し, オキサミルと反応性を示すポリクローナル抗体およびモノクローナル抗体を調製した.
免疫用ハプテンの内, N, N-dimethyl-2-(5-carboxypentyl)-carbamoyloxyirnino-2-(methylthio) acetamide は, オキサミルへの抗体を調製するために最も効果的だった. このハプテンを用いて調製したモノクローナル抗体は, すべてポリクローナル抗体より高い反応性を示した. なかでもモノクローナル抗体OXM6-8は最も高い反応性を示した. OXM 6-8と分析用ハプテンN, N-dimethyl-2-(4-carboxycyclohexyl) carbamoyloxyimino-2-(methylthio) acetamide を用いて間接競合ELISA法を構成することにより, 最も高い測定感度が得られた. この系における, オキサミルの50%阻害濃度は3.6ng/mlだった. また, ジャガイモのメタノール抽出液はこの反応性に影響を与えなかった.