Journal of Pesticide Science
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トルクロホスメチルのラットおよびマウスにおける代謝
三原 一優大川 秀郎宮本 純之
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1981 年 6 巻 1 号 p. 65-74

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抄録

14C-4-メチル標識トルクロホスメチル (リゾレックス®) を5mg/kgの割合でラットおよびマウスの雌雄ラットにそれぞれ1回経口投与すると, 投与した14Cの87~91%が1週間以内に糞尿中に排泄された. 投与1週間後, 体内の14C残存量は投与量の1%以下であり, しかも各種組織における残存量は0.06ppm以下であり, 組織内に14Cが蓄積する傾向は認められなかった. 両動物の排泄物中には少なくとも14個の代謝物が見いだされ, そのうち13個は両動物で共通したものであった. トルクロホスメチルはおもにP=S基のP=O基への酸化的脱硫化, 4-メチル基の酸化およびP-O-アリル結合とP-O-メチル結合の開裂を経て代謝され, 主要代謝物は3,5-ジクロロ-4-ヒドロキシ安息香酸であった. この代謝物はラットではほとんど遊離で存在したが, マウスでは55%がグリシン抱合をうけていた.

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