Journal of Pesticide Science
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殺虫剤力ルボフランの水田土壌微生物活性に与える影響
Agnes C. TIROLSusan T. SANTIAGO渡辺 巌
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1981 年 6 巻 1 号 p. 83-89

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抄録

殺虫剤 carbofuran (2,3-dihydro-2,2-dimethyl-7-benzofuranyl methyl carbamate) の湛水土壌におけるアンモニア化成, 硝化作用, 窒素固定作用, 尿素分解に対する影響を実験室と温室で調べた.
乾土1g当たり10μgの carbofuran は土壌窒素の無機化に影響を与えなかった. 硝化作用は carbofuran 濃度が10ppmから100ppmまで上昇するにつれて, 促進された.
ビーカーにつめた湛水土壌の表面のらん藻の生育は6kg/haの carbofuran の添加で促進され田面水の窒素固定活性も増大した. carbofuran 添加によって田面水は澄明になった. Carbofuran のらん藻生育促進効果の影響は carbofuran とその加水分解産物が消失したのちも続いた.
Gloeotrichia sp. の窒素固定は15ppmの carbofuran では影響をうけず20ppmでいくから阻害された. 尿素の加水分解は50ppmの carbofuran では影響をうけなかった.

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