Journal of Pesticide Science
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天然不飽和脂肪酸によるキノメチオナートの光分解促進効果
奴田原 誠克村井 敏信
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1984 年 9 巻 4 号 p. 667-674

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抄録

キノメチオナートの光分解を保進するナス葉中に含まれる物質を同定し, その特性について検討した. 光分解促進物質はオレイン酸等の不飽和脂肪酸で, これらの活性は不飽和結合に起因し, 不飽和脂肪酸部位を有する界面活性剤, 油脂等も同様の活性を示した. 二重結合を1個有する直鎖不飽和脂肪酸では炭素数が少なくなるほど, また不飽和結合がカルボキシル基から離れるほど活性が大きい傾向を示し, 同一脂肪酸では, シス体がトランス体に比べはるかに強い活性を示した. また, 他の農薬に対するオレイン酸の光分解促進効果を検討したところ, アニラジン, クロメトキシニル, クロルニトロフェン, クロロタロニル, ジクロゾリン, ジゴホルおよびプロシミドンに対しても有効であった.

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© 日本農薬学会
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