日本公衆衛生雑誌
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栄養バランスに配慮した食事の提供と選択に関連する要因の検討:地域飲食店におけるナッジを活用した介入研究
千葉 由美子, 林 芙美
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電子付録

論文ID: 25-077

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抄録

目的 地域飲食店においてナッジを活用し,栄養バランスに配慮した食事(T定食)の提供および情報提供を実施した。本研究では,メニューの利用状況の変化を検証するとともに,その選択理由を明らかにすることを目的とした。

方法 埼玉県戸田市Tレストラン1店舗にて,前後比較デザインの介入研究を行った。介入期間は,2024年9月~10月の8週間とした。介入内容は,①スマートミールⓇの基準に準じたT定食の提供(2種類ずつ各4週間),②メニュー表を用いた情報提供(1・2週目/5・6週目を介入A期間,3・4週目/7・8週目を介入B期間とし,介入A期間はメニュー名と価格のみのメニュー表,介入B期間は料理の写真等を追加したメニュー表の提示)を行った。T定食メニューおよびメニュー表の作成には,ナッジの枠組みであるCAN(C=便利,A=魅力的,N=日常的・当たり前)を活用した。評価は,メインアウトカムとして,メニュー区分ごとに①介入期間とその前後1か月,②介入A・B期間での食数・構成比の変化を評価した。次に,T定食の選択理由を明らかにするため,5週目と7週目にインターネット調査を実施し,初回の回答者のみを解析対象とした。対象者特性,T定食選択理由等を調査し,T定食選択者,非選択者の2群で比較した。サブ解析として,T定食選択者を介入A期間(5週目),介入B期間(7週目)の2群に分け,T定食選択理由を比較した。

結果 メニュー構成比の変化では,1~4週目はT定食以外のすべてのメニュー区分で事前(介入前)と比べて有意に減少した。しかし,5~8週目には再びグランドメニュー(定食)の構成比が増加し,介入前と同程度に戻った(5~8週目27.6%,介入前30.6%)。介入A・B期間の比較では,1~4週目には介入B期間でT定食の構成比が有意に増加し,5~8週目には介入B期間で有意に減少した。T定食の選択理由では,「女子栄養大学とのコラボだから」「野菜が多いから」「見た目が美味しそうだから」「価格が手ごろだから」を選択した者の割合が介入B期間で有意に多かった。

結論 メニューやメニュー表にナッジを活用し,見た目の彩りや価格のお得感を訴求することで,選択に繋がる可能性が示された。一方,料理自体が利用者に馴染みにくい場合や,嗜好に合っていない場合には,情報提供にナッジを活用しても選択に繋がらないことが示唆された。

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