抄録
メタノール溶液中で銅(II)と金属銅を接触させて生成した銅(I)によりスチレンを抽出する方法の有用性について知見を得る目的で,抽出速度と抽出平衡について実験的に検討した。抽出操作においては,メタノール溶液中の溶存酸素の除去が必要であった。また,平衡抽出率に及ぼすイオン強度,メタノール相中の水分,原料中のスチレン含有率の各影響を明らかにした。13C NMR測定から,スチレン分子中のビニル基と銅(I)の結合による化学シフトを確認した。勾配解析法によりスチレンと銅(I)が1 : 1に結合していると推定された。