Journal of the Japan Petroleum Institute
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一般論文
担持アルカリ土類酸化物触媒上でのNO直接分解反応
坪井 吾朗羽田 政明長尾 幸徳金田一 嘉昭浜田 秀昭
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2005 年 48 巻 1 号 p. 53-59

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抄録
担持アルカリ土類酸化物触媒のNO分解活性は担体に大きく依存し,Y2O3が最も効果的な担体であった。また,検討した担持アルカリ土類酸化物触媒の中でBa/Y2O3が最も高い活性を示し,NO分解活性はBa/Y2O3>Sr/Y2O3>Ca/Y2O3>Mg/Y2O3~Y2O3の順で低下した。Ba/Y2O3の900℃ でのNO分解活性は反応時間とともに徐々に向上する傾向が認められ,これは反応中に炭酸バリウムが酸化バリウムに分解するためであることが分かった。炭酸バリウムの分解には900℃ での水素還元処理が効果的であった。Ba/Y2O3のNO分解活性はバリウム担持量が5 wt% まで徐々に増加し,それ以上の担持量では活性の向上は見られなかった。900℃ での水素還元処理によりBa/Y2O3上にNO吸着サイトが生成し,NO分解活性とNO吸着量との間によい相関性が認められた。Ba/Y2O3触媒の塩基性を調べるために1-ブテン異性化活性を評価した結果,NO転化率との間に比較的よい相関性が認められ,塩基点がNO分解反応の中間体である吸着NO2-種の生成に関与していることがFT-IR測定より推定された。
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© 2005 公益社団法人石油学会
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