Journal of the Japan Petroleum Institute
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一般論文
担持および非担持ルテニウム含有ポリオキソモリブデート触媒による気相メタノール変換
大中 友宏竹内 健太橋本 圭司古南 博計良 善也松原 凱男
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2007 年 50 巻 1 号 p. 16-22

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抄録
担持および非担持ルテニウム含有ポリオキソモリブデート(Ru2Mo14)の触媒特性をメタノール変換反応により評価した。非担持Ru2Mo14上では,おもにメタノールの水素(H2)と一酸化炭素(CO)への分解反応が進行した。また,酸触媒反応(ジメチルエーテル,DME)はほとんど進行せず,Ru2Mo14には酸点が存在しないか,もしくは酸強度が弱いことが分かった。N -(2-アミノエチル)-3-アミノプロピルトリメトキシシランで修飾されたシリカおよびチタニアに担持されたRu2Mo14触媒は非担持および未修飾担体担持触媒よりも高いメタノール転化率を示した。このことから,修飾担体にRu2Mo14は高分散に担持されていることが分かった。水の存在下においても,担持Ru2Mo14触媒上でメタノールの水蒸気改質やCOシフト反応は進行しなかった。修飾アルミナをRu2Mo14の担体として用いたとき,メタノールの分解生成物,COおよびH2に加えてDMEが酸触媒反応の生成物として得られ,修飾アルミナ上に担持されたRu2Mo14触媒が強い酸点を有していることが示された。修飾アルミナ担持Ru2Mo14触媒上の吸着メタノール種のFT-IR測定および接触時間依存性の結果から,メタノール分解はホルムアルデヒドの生成とその分解を経て進行することが推測された。
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© 2007 公益社団法人石油学会
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