Journal of the Japan Petroleum Institute
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一般論文
水蒸気/二酸化炭素とメタンのリフォーミングを経由するジメチルエーテル合成
平野 正樹辰巳 雅彦安武 聡信黒田 健之助
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2007 年 50 巻 1 号 p. 34-43

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抄録
メタン(CH4)の二酸化炭素(CO2)および水蒸気(H2O)によるリフォーミング実験とリフォーミングにより得られた合成ガスの模擬ガスを用いたジメチルエーテル(DME)合成実験を行った。
Ni/α-Al2O3,Ru/α-Al2O3,Ni/MgO-Al2O3およびRu/MgO-Al2O3触媒を用いた改質実験では,CH4転化率は温度の影響が大きく,CO2/CH4比およびH2O/CH4比の影響はあまり受けなかったが,CO2転化率は温度,CO2/CH4比およびH2O/CH4比のいずれの影響も強く受けた。また,M 値[H2/(2CO+3CO2)比]はH2O/CH4比の影響はあまり受けないが温度とCO2/CH4比の影響を強く受けた。Ni/MgO-Al2O3およびRu/MgO-Al2O3触媒は800時間の耐久性試験においてほぼ平衡に近いCH4転化率を示し,C析出量も極めて少量であった。
改質で得られる合成ガスの模擬ガスを用いた複合触媒構造型1段反応と触媒分離型2段反応によるDME合成触媒システムでの約2000時間の耐久性比較試験の結果,(メタノール + DME)収率は反応初期では1段反応の方が高かったが,活性は徐々に低下したのに対し,2段反応ではほとんど低下しなかった。一方,DME選択率は1段反応でも2段反応でも2000時間安定に推移した。また2段反応では,(メタノール + DME)収率,DME選択率とも原料ガスとしてCOを含む模擬ガスを使う方が,COを含まないH2,CO2の混合ガスを使用するよりも20%以上高くなった。
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© 2007 公益社団法人石油学会
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