2008 年 51 巻 2 号 p. 83-87
各種ペロブスカイト型酸化物(La1-xSrxBO3(B = Al,Cr,Mn,Fe,x = 0~0.2)を担体としたCo触媒を用い,反応温度823 K,水/エタノール比6 mol・mol-1の条件でエタノールの水蒸気改質反応を行った。その結果,Co/LaAlO3がLaCrO3,LaMnO3,LaFeO3を担体とした場合と比べ活性,安定性ともに優れていることが分かった。La/Al比は安定性に大きな影響を及ぼし,ペロブスカイト以外の不純物相を含まないLa/Al = 1のときに最も活性が高かった。また,LaAlO3中のLa3+サイトをSr2+で置換し,酸素イオン伝導性を向上させたLa1-xSrxAlO3-δを担体としたCo触媒について検討を行ったところ,活性が著しく向上した。これは,ペロブスカイト担体中の格子酸素の易動性が大きく増すことにより,Co上に吸着した反応中間体や析出炭素前駆体の酸化が促進されたためであると考えられる。