Journal of the Japan Petroleum Institute
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一般論文
フェニルプロパノイドの酸化防止および光酸化防止活性
大勝 靖一久保田 祥子佐藤 琢磨
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2008 年 51 巻 6 号 p. 348-355

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抄録

フェニルアラニンおよびチロシンは一部フェニルプロパノイドへ代謝される。これら代謝物を石油化学製品に適用するために,その酸化防止および光酸化防止活性を動力学的にかつ代謝経路に沿って詳細に検討した。代謝物は市販の紫外線吸収剤2-ヒドロキシベンゾフェノンと比べてほとんど光酸化防止活性を示さなかった。これに対して,多くの代謝物は,代表的な市販の酸化防止剤BHTよりも高い,すなわち優秀な酸化防止能を示した。コーヒー酸エチルエステルは2.7モル/モルのペルオキシラジカルを捕そくし,BHTよりも2.4倍高い酸化防止能を有することがわかった。そのような代謝物は食品保存または容器に対する優秀な酸化防止剤として石油化学製品に安全に適用できるであろう。

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© 2008 公益社団法人石油学会
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