Journal of the Japan Petroleum Institute
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一般論文
魚油バイオディーゼルに含まれる脂肪酸メチルエステルの酸化挙動および部分水素化処理による酸化安定性の改善
阿部 容子鳥羽 誠望月 剛久葭村 雄二
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2009 年 52 巻 6 号 p. 307-315

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抄録
魚油が混入した廃食用油利用の観点から,まず魚油脂肪酸メチルエステル(FAME)の酸化劣化による変化を評価し,次いで貴金属触媒を用いて部分水素化した魚油FAMEの酸化安定性について検討を行った。魚油FAMEは酸化によりアルデヒド類,カルボン酸類,ケトン類および大量のスラッジなど多種の分解生成物を生じた。FAMEの酸化反応性はその不飽和度に比例し,魚油FAMEの主成分である4価以上の二重結合を有する多不飽和FAMEはほぼ完全に酸化された。元素分析やFT-IRの結果から,スラッジはケトン類,エステル類およびカルボン酸類による大量の酸素を含有していることが分かった。ゲル浸透クロマトグラフにより測定した数平均分子量から,スラッジは多不飽和FAMEを主としたおよそ10分子のFAMEの重合により形成していると考えた。バイオディーゼル燃料に混入した魚油の酸化安定性を改善するために,Pd-Pt/Yb-USY-Al2O3触媒を使用して魚油FAMEを部分水素化した。ここでは,魚油混合廃食用油のモデル油とするため,魚油FAMEを菜種油FAMEに混合したものを水素化原料とした。2価以上の不飽和FAMEは1価不飽和FAMEおよび飽和FAMEへと選択的に水素化された。水素化FAMEは酸化によりスラッジを生成せず,酸化安定性は未処理油と比較して大幅に向上した。水素化FAME混合軽油の酸化安定性は石油系軽油とほぼ同等であった。多不飽和FAMEの部分的水素化は酸化安定性向上とスラッジ形成の抑制に効果的であることが分かった。
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© 2009 公益社団法人石油学会
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