Journal of the Japan Petroleum Institute
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アルコキシド法により調製した二元細孔構造Ru/SiO2触媒によるFischer-Tropsch合成
岡部 清美村田 和久劉 彦勇
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2010 年 53 巻 2 号 p. 106-110

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抄録

アルコキシド法により調製したRu–SiO2で大細孔径シリカ表面を修飾することにより二元細孔構造を持つRu/SiO2触媒を調製し,Fischer-Tropsch(F-T)合成反応を行った。X線回折の線幅から見積もられるRu結晶子径はシリカの細孔径にあまり依存しなかったが,水素吸着量から推定されるRu粒子径は大細孔シリカの細孔径の増加に伴って増大した。このようにして調製した二元細孔構造触媒は,T=493~503 K,P=1 MPa,H2/CO=2/1,W/F=5 g-catal.h/molの反応条件下でのスラリー相F-T反応において,高価なアルコキシドの使用量を軽減した上で,高く安定した触媒活性を示した。触媒の細孔径の増大に伴って,メタン選択率が減少し,高級炭化水素への選択率が増加することが認められた。これら選択率の細孔径依存性は,細孔内におけるスラリー溶媒および反応生成物の拡散速度,ならびに触媒細孔径に依存するRu粒子径の違いによって説明された。

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© 2010 公益社団法人石油学会
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