抄録
固定床流通反応系により高比表面積ZrO2に担持したNiO–POn触媒を用いてエタンの酸化的脱水素反応を450℃常圧下で検討した。エタンを不活性ガスで希釈することなく,エタン酸素比2 : 1で行い,エタン転化率32.1%,エチレン選択率64.2%,エチレン収率20.6%を得た。触媒活性は少なくとも12時間は一定の値を示した。X線光電子スペクトルにより,NiO/ZrO2触媒を用いるとNiOが反応中にNi金属に還元されるのに対し,POnを添加した触媒では反応後もNiOの状態であった。高いエチレン選択性を得るためには,脱水素反応中にNiOがNiに還元されないことが重要で,POnのNiO/ZrO2触媒への少量添加はNiO の還元を抑制し,高いエチレン選択性に寄与した。