抄録
実験室において簡便にアスファルテンの溶剤分別を行うために,テフロン製担体を充填したカラムを用いたアスファルテン分離法を提案した。この方法では,内径10~30 mmのカラムに高さ100 mmに充填した充填剤をヘプタンで洗浄した後,重質油のヘプタン溶液を通し,次いでヘプタンでカラム内のマルテンを回収する。マルテンの回収が終了した後,カラムの下部からジクロロメタンを送り,アスファルテンを溶解させ,カラム上部から回収するというものである。本法で処理可能なアスファルテン保持量の上限はカラムの断面積に比例し,内径20 mmのカラムでは0.8 g,アラビアンライト減圧残油の処理量として約8 gであった。本法により回収されたマルテンとアスファルテンの回収率および各成分のH/C原子比は遠心分離法によるものの値と誤差範囲で一致していた。このことから,両者は同等の回収法であると言えた。また,アスファルテン回収量が50 mg程度の少量の場合でも適用可能であった。