抄録
比較的温和な水熱反応と固体触媒反応を組み合わせる方法によりセルロースからグルコースを得るプロセスは,セルロース系バイオマスを利用する持続型社会の実現において重要な技術の一つとして期待される。著者らは,H型ゼオライトや硫酸基およびスルホ基を有するものなどを固体触媒に用いて,β-1,4-グリコシド結合をもつセルロースに対して150℃付近の温度で触媒水熱反応を行ったところ,スルホン化活性炭(AC–SO3H)触媒が高いグルコース収率を示すことを見出した。この水熱前処理したスルホン化活性炭触媒が優れた触媒特性を示したのは,水熱反応場で安定であり,強酸性のスルホ基を持ち,単糖ではなく多糖を吸着しやすい活性炭表面を有するためである。また,そのスルホン化活性炭触媒に貴金属の白金微粒子を担持した二元機能触媒(Pt/AC–SO3H)は,活性炭に含侵法で白金微粒子を担持し,それをスルホン化することにより調製した。Pt/AC–SO3H触媒を用いたワンポット反応により,水溶媒中120℃空気雰囲気において,デンプンやセロビオースからグルコン酸を得た。