公共政策
Online ISSN : 2758-2345
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医療費支払方式が医療システムに与える影響 ―米国の経験
堀真 奈美
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2000 年 2000 巻 p. 2000-1-026-

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抄録

これまでも医療費支払方式の問題は,医療政策や医療経済の学問分野で取り上げられてきた重要なテーマであり,既存研究の蓄積もある。だが,その多くが医療費抑制という国家レベルの問題意識を背景としたマクロの視点からの研究が中心であり,サービス提供側の病院,医師やサービス受給側の行動に焦点を当てたミクロの視点からの実証研究は,我が国ではほとんどなされていない。また,医療費支払方式とサービス提供側の行動に関する理論的整理は散見される程度で,昨今の急激な医療をとりまく環境変化に追いつかないというのが現状である。

本研究は,医療費支払方式の整理分類を行うとともに,1980年代以降の米国における実証研究のレビューを中心に医療費支払方式の変化が,サービスの提供主体である病院,医師等の行動にどのような影響を与えたのか,医療サービスの質にどのような影響を与えたのか等を考察する。

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© 2000 日本公共政策学会
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