Journal of the Japan Petroleum Institute
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総合論文
分子シミュレーションにより得られる不均一触媒上酸点の局所構造に関する知見
後口 隆
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2013 年 56 巻 6 号 p. 366-370

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抄録

分子シミュレーション手法(密度汎関数法-DFTおよびハイブリッド大規模計算手法ONIOM)を用いた不均一固体酸触媒上に存在する酸点の挙動に関する検討を行った。硫酸処理したZrO2において発現する強い酸性質は,表面に共吸着したSO3とH2Oからなる局所構造に起因する可能性を見出した。MFI型ゼオライト中に導入されたTi原子近傍の局所構造および各Tサイトにおける相対的安定性について,すべてのTサイトを含む大きなクラスターモデルを用いて検討した。ベータ(BEA)型ゼオライト上のプロトン酸点近傍の局所構造に関し検討し,二つの酸点が酸素6員環内で向き合うように存在している構造が特に安定であることを見出した。最後に,不純物を含まないSiO2のモデルとして水晶の表面を用い,複数の表面OH基が相互に近接し,相互作用を及ぼしうるアンサンブルを形成した際には比較的強い酸性度を示すことを見出した。これらの検討内容を紹介する。

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© 2013 公益社団法人石油学会
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