Journal of the Japan Petroleum Institute
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技術報告
各種バイオエタノールサンプル中の不純物分析
羽部 浩新保 外志夫山本 拓司佐藤 俊島田 広道榊 啓二
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2013 年 56 巻 6 号 p. 414-422

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抄録

近年,バイオエタノールが化学品製造における重要な原料となっている。バイオエタノール中の不純物が,下流の化学品製造プロセスで使用する触媒の性能に影響を及ぼす可能性があるため,17種のバイオエタノールサンプルについて不純物の分析を行った。リグノセルロース系バイオエタノールは,糖・デンプン系バイオエタノールと比較して,高濃度かつ多種類の有機不純物を含んでいた。特に,リグノセルロース系バイオエタノールは,高濃度の酢酸,アセトアルデヒド,メタノールおよびフルフラールのようなフラン系化合物を含んでいた。また,リグノセルロース系バイオエタノールは,有機硫黄系不純物としてジメチルジスルフィドおよびチアゾールを含んでいたのに対し,糖・デンプン系バイオエタノールからは,ジメチルスルフィドおよびジメチルスルフォキシドが検出された。加えて,リグノセルロース系バイオエタノールからは,0.1 μg/mL以上のSiが検出された。

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© 2013 公益社団法人石油学会
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