抄録
環境負荷の低い家庭用燃料電池システムは広範囲な使用が期待されている。燃料電池の燃料極触媒には,通常Pt-Ru合金が用いられ,触媒上のPtに強く吸着したCOはCO2として酸化除去される。この反応は,二元機能触媒機構を経由しても,水性ガスシフト反応を経由しても,隣接したPtに吸着したCOとRuに吸着したOHが関与するので,触媒表面にPt-Ru結合が多いことが望まれる。しかし,Ptは面心立方が安定で,Ruは六方最密充填構造が安定であるので,エンタルピーで評価すると,Pt-Ru結合に比べて,同種のPt-PtとRu-Ruが安定で結合を作りやすい。CO耐性の高いPt-Ru触媒を合成するために,高温でクウェンチしPtとRu原子がランダムに分散した燃料極触媒を開発した。このPt-Ru結合が最大の理論値をとる触媒を用いると,高い濃度のCOが共存しても,燃料電池の発電反応である水素酸化反応が燃料極で効率的に進行した。