抄録
低温作動型燃料電池のためにSrとMgを添加したLaGaO3系酸化物(LSGM)の酸素イオン伝導度の紹介を行った。SOFCは多様な燃料を用いることの可能な高効率な電力発生装置である。本稿ではSrとMgを添加した高酸素イオン伝導体の低温作動型SOFCの電解質への応用を検討した。低温での出力密度はLSGMの応用により大きく向上したが,さらに大きな出力を達成するにはLSGMの薄膜化が必要である。レーザーアブレーションにより,LSGMの薄膜化が可能であり,緩衝層を最適化することで,0.2 W cm−2の出力を773 Kで達成できた。一方,Ce0.6Mn0.3Fe0.1O2(CMF)が優れたアノード特性を示すことを見出し,CMF薄膜をアノードとしたSOFCは673 Kでも0.17 W cm−2の出力を示した。さらに,CMF とLa0.6Sr0.4Fe0.9Mn0.1O3(LSFM)を12.5 : 87.5 wt%で混合した酸化物をアノードとすると,炭化水素を直接燃料として用いることが可能なことを示した。