抄録
Ni/ペロブスカイト型酸化物触媒(Ni/La0.7Sr0.3AlO2.85)は,その担体の格子酸素易動性によって,芳香族炭化水素の水蒸気改質において高い転化率と低い炭素析出を示す。この触媒の反応メカニズムを詳細に解析するために,触媒のキャラクタリゼーションを行うとともに,トルエン,メチルシクロヘキサン,n-ヘプタンの3種の炭化水素の水蒸気改質について比較した。結果として,アレニウスプロットやFT-IR解析から,これらの反応活性は構造と深い相関があることが分かった。反応中間体の表面への吸着とその安定性は,活性に対して重要な因子となることが分かった。