Journal of the Japan Petroleum Institute
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総合論文
酵素およびゼオライトの空洞内でのアルカン転化反応における生成物選択性―空洞容積が生成物への選択性に及ぼす影響―
宮地 輝光
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2016 年 59 巻 2 号 p. 35-45

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抄録

アルカンモノオキシゲナーゼやプロトン交換ゼオライトでは,これら触媒分子内に空洞構造を有しており,この空洞内でアルカン転化反応が進行する。本研究では,キャビティ容積および反応分子の体積が触媒反応の生成物選択性に及ぼす影響を明らかにするため,アルカンモノオキシゲナーゼによる直鎖アルカンからアルコール位置・立体異性体への選択性,およびプロトン交換ゼオライトによるn-ペンタン分解反応におけるアルカンおよびアルケンへの選択性を明らかにした。アルカンモノオキシゲナーゼにおけるn-アルカンから2-ヒドロキシアルカン立体異性体への選択性,およびプロトン交換ゼオライトによるn-ペンタンからエタンとプロペンへの選択性は,それら触媒の空洞容積に依存した。これらの結果に基づき,反応分子または反応中間体の大きさが,触媒反応が進行する空洞の容積と一致したとき生成物への選択性が発現されることを提案する。

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© 2016 公益社団法人石油学会
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