Journal of the Japan Petroleum Institute
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総合論文
石油精製用モリブデン硫化物触媒の形状,分散と触媒機能
島田 広道
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2016 年 59 巻 2 号 p. 46-58

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抄録
本総説では,各種担体に担持したMo硫化物触媒,使用済Co-Mo/Al2O3触媒の触媒機能をモデルテスト反応によって評価し,触媒の形状,分散との関係について議論した。水素化活性についてはAl2O3担体が,脱硫活性および水素化分解活性についてはTiO2担体が優れた活性を示した。Al2O3担体では,比較的大きな単層MoS2が形成しやすい結晶面と複層以上のMoS2が形成しやすい結晶面があった。また,TiO2担体上では硫化条件によってMoS2が担体上に垂直配置することが分かった。複層以上のMoS2触媒は,相対的に水素化分解や脱硫反応に優れる一方,単層MoS2触媒は水素化活性に優れていた。触媒活性点の機能には反応分子の立体障害が影響し,特にη6吸着が必要な水素化反応では立体障害の影響が大きいと考察された。実反応使用済触媒では,MoS2構造が面内方向に成長して活性点は減少するが,硫化の進行に伴い担体との相互作用が弱まって活性点あたりの活性は向上した。
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© 2016 公益社団法人石油学会
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