2016 年 59 巻 5 号 p. 165-173
ゼオライトやメソ多孔性シリカなどのナノ多孔体は,特有の機能を示すことから様々な研究分野で活用されている。二酸化チタン(TiO2)光触媒の担体としての利用も検討されている。より高効率な反応系の設計や光触媒性能を向上させるに際し,表面特性やナノサイズでの形態・構造制御により,それら固有の特性を高めると同時に新しい機能も付与することができる。本総説では,主に,水中や空気中の有機分子を対象として,高効率な吸着濃縮と分解を経る光触媒反応による環境浄化への応用を目的としたTiO2とナノ多孔体の複合材料の設計に関する我々の最近の取り組みについて紹介する。種々の修飾手法により,組成,表面特性,細孔構造や他の機能を制御した複合材料を中心に概要を述べる。