Journal of the Japan Petroleum Institute
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総合論文
亜臨界・超臨界流体を用いた廃プラスチックのリサイクル技術
後藤 元信
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2016 年 59 巻 6 号 p. 254-258

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抄録

超臨界流体は臨界温度と臨界圧力を超えた状態であり,反応や分離溶媒として注目されている。亜臨界・超臨界流体を用いた分解反応による廃プラスチックの化学リサイクル技術について基礎から商用プラントに至るまで総括する。従来プロセスに比べて超臨界流体中では分解反応が迅速かつ選択的に進行する。PETやナイロンなどの縮重合系プラスチックは超臨界水や超臨界アルコール中で比較的容易にモノマーに解重合される。架橋高分子は主鎖の過度の分解を伴わずに選択的脱架橋化反応によりリサイクルできる。繊維強化プラスチックは樹脂部分を解重合することにより繊維や化学原料として回収できる。廃プラスチックのリサイクルのために亜臨界・超臨界流体を用いたパイロット規模や商用規模のプラントが開発されている。

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© 2016 公益社団法人石油学会
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