Journal of the Japan Petroleum Institute
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総合論文 ── 「多孔質膜の調製および分離への適用」特集 ──
ポリイミド膜によるガスおよび蒸気分離
谷原 望 中西 俊介吉永 利宗
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2016 年 59 巻 6 号 p. 276-282

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抄録

有機系,無機系,金属系材料による分離膜技術が盛んに研究開発されてきており,いくつかの材料が実用化されてきている。幾種の酸無水物と多種のジアミンとの組合せから合成されるポリイミドは,系統的な分子設計を検討できる分離膜材料として興味深く検討されてきている。1980年代に石油産業の水素回収に適用されたポリイミド分離膜は,空気分離による窒素富化あるいは酸素富化,除湿,脱水,二酸化炭素分離などのガス分離,および蒸気分離においてその適用範囲をさらに拡大している。3,3’,4,4’-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(BPDA)からなるポリイミドは,耐熱性,耐薬品性,機械的強度に優れるとともに,良好な曳糸(えいし)性を有し,非対称中空糸膜に成型され,膜分離プロセスとして利用されてきている。ここでは,ポリイミドの材料特性,ポリイミド中空糸膜の特性,ガスおよび蒸気分離の適用場面について紹介する。

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© 2016 公益社団法人石油学会
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