2017 年 60 巻 1 号 p. 1-9
フルフラールと5-ヒドロキシメチルフルフラールはバイオマスから誘導される基幹化学品であり,これらの完全水素化により溶剤や樹脂原料に利用可能なテトラヒドロフルフリルアルコール(THFA)と2,5-ビス(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン(BHTHF)がそれぞれ合成される。Ni触媒ではこれらの反応に高収率が得られるが,低い活性と安定性が問題である。PdとRuの単金属担持触媒も水素化活性を示すが完全水素化への選択率は低くなりやすいことが報告されている。CuやPtなど他の単金属触媒は中間体であるフルフリルアルコールや2,5-ビス(ヒドロキシメチル)フランのフラン環水素化に対する活性が一般に低い。我々は複数の金属を含む触媒を検討し,Ni–Pd/SiO2,Pd–Ir/SiO2,Rh–Ir–ReOx/SiO2で高いTHFAまたはBHTHF収率が得られ,その活性はそれぞれの構成金属を別々にSiO2に担持したものを混合した場合に比べはるかに高いことを見出した。