Journal of the Japan Petroleum Institute
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総合論文
金属担持触媒を用いたバイオマス由来アルコールの選択的酸化反応
西村 俊海老谷 幸喜
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2017 年 60 巻 2 号 p. 72-84

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抄録

持続的な生産が可能なバイオマス由来資源から化成品・燃料を合成する触媒化学変換法は,持続可能な社会を実現する上で重要な技術の一つである。我々は,石油由来資源の変換プロセスで蓄積した触媒技術とナノテクノロジー研究での知見を生かし,金属担持触媒の調製とバイオマス由来資源から化成品 ・燃料を供給するプロセス技術の開発を行っている。本総合論文では,バイオマス由来の5-ヒドロキシメチルフルフラール(HMF),グリセロールおよびα,ω-ジオールをターゲット物質とした選択的酸化反応に関する我々の触媒開発プロセスと最近の動向を紹介する。HMFとグリセロールの選択酸化反応では,塩基性担体を使用することで外部からの均一系塩基の添加を必要としない酸化反応を実現した。また,脂肪族ジオール類の選択酸化反応では,担持金属活性点のバイメタル化と反応系のpH制御が有効であることを明らかとした。

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© 2017 公益社団法人石油学会
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