2019 年 62 巻 2 号 p. 80-86
本研究では,膜分離および蒸留と膜分離のハイブリッドプロセスのエネルギー消費量を評価した。フィード中のプロピレン組成は,30,60,90,98 mol%とし,製品規格としてプロピレン組成は99.5 mol%,回収率99.5 %以上とした。膜分離においては,1段膜および2段膜を対象にエネルギー消費量を評価した。次に,膜1段と蒸留塔1塔で構成されたハイブリッドプロセスを対象に,エネルギー消費量を評価した。各プロセスのエネルギー消費量の計算結果を比較することで,適切な分離プロセスを議論した。フィード中のプロピレン組成が30 mol%の場合は,混合物を膜で分離した後に蒸留塔に供給する構成のハイブリッドプロセスが適していた。フィード中のプロピレン組成が60,90,98 mol%の場合は,ハイブリッドプロセスだけでなく膜分離でも,蒸留単独でのプロセスと比べ高い省エネルギー性が得られることを明らかにした。