2022 年 34 巻 2 号 p. 166-171
破局的思考は痛みに対する誇張された否定的思考のことで,疼痛部位が多いほど破局的思考が強いことも知られている.そこで当院外来通院中の関節リウマチ(RA)患者204例を対象に破局的思考の問診票PCS(Pain Catastrophizing Scale)による調査を外来で行い,各患者のPCSの結果を目的変数とし,患者の年齢,性別,活動性,患者VAS,modified Sharp-Heidje(S-H)法による年間のレントゲン進行度,治療薬の種類による差を説明変数として重回帰分析により何が最もRAの破局的思考に影響を及ぼすかを解析した.その結果,破局的思考は総点で18.8 ± 12.2,項目別では反芻:9.4 ± 5.8,無力感:4.3 ± 3.1,拡大視:5.1 ± 4.3であり,各項目の満点に対する障害割合はRAの場合,反芻と拡大視が高いことが判明した.説明変数との関連では反芻が関節腫脹(p=0.029),拡大視がS-Hの年次進行度(p=0.049),無力感が患者VAS(p=0.019)と有意な相関を認めた.恐怖回避モデルでは,痛みに対する恐怖や過剰行動回避を通じて抑うつや社会生活の適応障害を生じることで慢性疼痛に対する悪循環が生じるとされている.RA診療に従事する看護師はこれらを踏まえて患者の精神的不安を和らげるように日頃から注意すべきであると考えられた.