2020 年 63 巻 4 号 p. 221-227
リグニンは有用な芳香族化合物の供給源として期待される。我々は,活性炭担持パラジウム,白金,ロジウム,およびルテニウム触媒(Pd/C,Pt/C,Rh/CおよびRu/C)を用いて超臨界水中(658~688 K)にて反応時間0.5~3時間で,オルガノソルブリグニンの解重合反応による芳香族モノマーへの変換を検討した。Ru/C触媒は,リグニン解重合反応による芳香族モノマー製造には活性を示さず,メタンや二酸化炭素などのガス生成物への変換に活性を示した。一方で,Pd/C,Pt/CおよびRh/C触媒は,リグニン解重合反応による芳香族モノマー製造に活性を示した。673 Kにて反応時間1時間では,Pd/C>Rh/C>Pt/Cの順で芳香族化合物モノマー収率が高かった。Pd/C触媒では,Rh/CやPt/Cを用いたときよりもフェノール系芳香族モノマーの選択性が高かった。Pd/C触媒を用いて673 Kにて経時変化を検討したところ,反応時間2時間で芳香族モノマーの最高収率12.7 %が得られた。