2020 年 63 巻 4 号 p. 228-237
硫化水素共存下におけるプロパン脱水素反応に対する遷移金属系触媒の反応特性について検討した。SiO2,γ-Al2O3,ZrO2,CeO2,MgOに担持したFeやCo,Ni系触媒の中で,SiO2に担持したFe系触媒が高選択的にプロピレンを生成することを見出した。また,触媒上への炭素析出量はわずかであった。各触媒についてXRDやEXAFS測定によりバルク構造や表面局所構造を,XANESやXPS測定により電子状態などの物理化学的特性を評価した。その結果,優れた脱水素能を発現する触媒上には硫化物が形成され,酸化数の高いFe種が確認された。高酸化数のFeが反応中間体からの電子の授受を促進し,優れた脱水素特性を示したものと推測された。