2022 年 65 巻 2 号 p. 67-77
メカノケミカル法を用いることでFeが骨格内に導入されたMWW型ゼオライト([Fe]-MWWMC)の合成に成功した。また,合成した[Fe]-MWWMCの物性や,導入されたFeの化学状態を従来の水熱合成法により合成したFe含有MWW型ゼオライト([Fe]-MWWHT)と比較した。SiO2とα-FeOOHに対して,遊星型ボールミル装置を用いた粉砕処理を施すことで,メカノケミカル反応が進行し,4配位のFe種がSiO2ネットワークに導入された非晶質複合酸化物が得られることが分かった。このようにして得られた非晶質複合酸化物を原料にして,水熱合成を行うことで得られた[Fe]-MWWMCは,ゼオライトの骨格外に存在するFe種の量が[Fe]-MWWHTよりも少ないことが確認された。このことから,メカノケミカル法は,骨格内に分散性良く金属種を導入することができるメタロシリケート合成手法であることが実証された。