Journal of the Japan Petroleum Institute
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ノート –特集「長野大会」–
亜鉛錯体触媒によるテトラメチルオルトシリケートを用いたCO2からの有機カルバメート合成におけるフェナントロリン配位子上の置換基効果
竹内 勝彦髙橋 慧石坂 悠介小泉 博基長江 春樹松本 和弘深谷 訓久桑原 純平神原 貴樹崔 準哲
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2023 年 66 巻 5 号 p. 185-188

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抄録

再生可能な試薬であるテトラメチルオルトシリケートを用いたCO2からの有機カルバメート合成の触媒となる亜鉛–フェナントロリン錯体について,フェナントロリン配位子上に置換基を導入し,反応性の向上と固定化用リンカーの導入可能位置を調査した。具体的には,電子供与基または電子求引基を有する種々のphen誘導体を配位子とするZn(OAc)2錯体,(X-phen)Zn(OAc)2を触媒として用いてフェニルカルバミン酸メチルの合成を検討し,その触媒活性を(phen)Zn(OAc)2と比較することで評価を行った。その結果,2,9位にアルキル基,4,7位にハロゲンが置換したX-phen配位子(2,9-ジメチル-1,10-フェナントロリン,2,9-ジブチル-1,10-フェナントロリン,4,7-ジクロロ-1,10-フェナントロリン,4,7-ジブロモ-1,10-フェナントロリン)を有する触媒は,(phen)Zn(OAc)2に比べて著しく効率が低いことが明らかとなった。一方,その他のX-phen(4,7-ジメトキシ-1,10-フェナントロリン,4,7-ジメチルアミノ-1,10-フェナントロリン,3,4,7,8-テトラメチル-1,10-フェナントロリン,4,7-ジメチル-1,10-フェナントロリン,4,7-ジフェニル-1,10-フェナントロリン,5-ニトロ-1,10-フェナントロリン)を用いた場合,phen配位子に導入された置換基が電子供与性か電子求引性かにかかわらず,(phen)Zn(OAc)2と大きく変わらない収率を示した。上記のカルバメート合成反応に影響を与えない置換位置や官能基の種類に関する情報は,phen配位子にリンカーを導入して触媒を固定化する際に有用であり,カルバメート合成の高効率化に寄与することが期待できる。

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