Journal of the Japan Petroleum Institute
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総合論文
二酸化炭素を用いたカーボネート誘導体,カルバメート誘導体,ギ酸シリルの合成法の開発
竹内 勝彦
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2024 年 67 巻 2 号 p. 45-51

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抄録

本総説では,二酸化炭素(CO2)を原料としたカーボネート誘導体,カルバメート誘導体,ギ酸シリルの効率的合成法について,著者らの最近の成果を紹介する。化石燃料の使用などによって人為的に排出されるCO2は世界的気候変動の主原因とされており,その排出量削減の対策の一つとして,CO2を原料とした有用化学品合成が着目されている。しかし,たとえCO2を原料に使用したとしても,環境負荷の大きい試薬や反応プロセスを用いることは避けるべきである。その点で,本総説で紹介している合成法は,バイオマス資源の利用,環境調和性の高い反応剤の使用,排気ガス中の低品質なCO2の利用,安価な亜鉛や銅の触媒の使用などにより,環境調和性を意識したものとなっていることが特筆される。また,合成対象となる化合物は,いずれも工業的に有用な化学品であり,カーボネート誘導体はポリカーボネートの原料,カルバメート誘導体はポリウレタンの原料,ギ酸シリルはホルミル基導入のための試薬となる。有用な化合物を効率的かつ環境調和的に製造することを可能にするこれらの合成法が,CO2排出量削減に貢献することを期待している。

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