Journal of the Japan Petroleum Institute
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総合論文
ギ酸分解および糖アルコール水素化脱酸素のための炭素担持金属微粒子触媒の開発
藤墳 大裕
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2024 年 67 巻 2 号 p. 52-60

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抄録

炭素は高比表面積,構造制御や高機能化が容易といった特徴から触媒担体として利用される。しかし,炭素担体は不活性であるがゆえに金属を強固に固定化することができず,触媒調製中ならびに反応中に容易に活性金属の熱凝集が進行し触媒劣化を引き起こす。それに対し,著者らはイオン交換樹脂を前駆体とした炭素担持金属触媒調製法に注目した。本手法では金属イオンをイオン交換樹脂に担持し,炭素化と金属微粒子形成を同時に行うという調製手順をとることで金属微粒子が炭素担体に部分的に包埋された構造を形成する。本稿では,本触媒調製法で得られる炭素担持金属微粒子触媒の特徴について紹介する。PtNi@C触媒を用いた気相ギ酸分解反応では,触媒活性点の高密度化により高い水素生成速度を達成した。また,Cu@C触媒を用いた糖アルコール類の水素化脱酸素反応では,不活性担体の使用と包接構造により優れた選択性と触媒の安定性を達成した。

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