Journal of the Japan Petroleum Institute
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総合論文
CO2削減に向けたスーパーリーンバーンエンジン熱効率向上のための燃料組成に関する研究
安武 優希 内木 武虎小畠 健渡邊 学
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2024 年 67 巻 3 号 p. 89-96

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抄録

CO2削減に向けて社会が進んでいく中,運輸部門のCO2削減 · カーボンニュートラル達成は非常に重要なテーマと言える。本研究ではガソリンエンジンにおける有望な高効率化エンジンとしてスーパーリーンバーンエンジンにおいて,さらなる高効率化を達成するためエンジンのリーン限界を拡大する燃料組成を検討した。最初に試薬を用いた単一成分試験により燃料性状とリーン限界の関係を明らかにした後,製油所で製造可能な燃料組成を検討した。その結果,化石燃料とバイオ燃料を組み合わせた燃料組成では,スーパーリーンバーンの性能指標の一つであるリーン限界空気過剰率が最大0.25ポイント上昇することが確認された。リーン限界の拡大とノッキングの抑制により,熱効率が最大4ポイント向上した。これはバイオ燃料によるCO2削減効果と合わせると35 %のCO2削減に相当し,エンジンと燃料を市場に導入していくことで,将来の運輸部門の低炭素化に貢献することが可能となる。

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