2025 年 68 巻 2 号 p. 46-52
MgO/SiO2触媒を用いた脱炭酸反応により炭化水素系バイオディーゼルを製造する新しいプロセスを開発した。この方法で得られた生成油に簡単な2次処理を施すとバイオ燃料のNEET規格に適合する。しかしながら,本プロセスで得られた生成物は様々な化合物が含まれており,その内容物が不明確であり,その生成経路等も明らかではない。本研究では,油脂類のMgO/SiO2触媒による分解生成物のGC-MS解析および同一条件下でのモデル原料の反応の系統的追跡により塩基性触媒による油脂の接触分解の反応ネットワークを明らかにした。その結果,主反応は油脂の分解による酸の生成と,その脱炭酸および2量化によるケトン生成とその無触媒的分解よりなることが分かった。また,炭化水素の幅広い炭素数分布を与える分解反応は,直接脱炭酸反応やケトンの分解過程で生じたラジカルの連鎖反応によるものであると考える。