2026 年 69 巻 1 号 p. 27-35
オレフィン重合触媒としてのフェノキシやケチミド配位子を有する非架橋型のハーフチタノセン触媒,Cp’TiX2(Y) (Cp’=cyclopentadienyl; X=halogen, alkyl, Y=anionic ancillary donor such as phenoxide, ketimide)の基本的な触媒設計指針,およびこの触媒の特徴を生かした各種新規ポリマーの合成に関する研究成果をまとめた。この種の触媒を用いることで,従来のZiegler_Natta触媒やメタロセン触媒,アミド配位子を有する架橋ハーフチタノセン(幾何拘束型)触媒では不可能(極めて合成困難)な分岐α-オレフィンや2置換オレフィン,環状オレフィン,芳香族ビニルモノマーとの新規共重合体の合成が可能となった。また,エチレンと天然の共役ジエンとの共重合,水酸基を含有する高分子量ポリオレフィンの合成なども可能となった。目的反応に応じた適切な配位子の修飾により,この触媒独自の特徴を生かした興味深い物性 · 特性を示す高機能材料の創製が可能となった。触媒活性種解析にも取り組み,特に反応化学や溶液XAFS(X線吸収分光)測定によりスチレン重合や共重合における活性種を明らかにした。