2026 年 69 巻 2 号 p. 51-56
合成大環状ムスク香料の一種であるエチレンブラシレート(EB)分解細菌(3d, 11L株)を高尾山周辺土壌より分離した。分離菌は16S rRNA配列によりプロテオバクテリアおよびファーミキューテス門に属し,それぞれXenophilus属およびBacillus属と同定された。培養液分析により,これらは代謝中間体としてエチレングリコールとブラシル酸を生成することが明らかとなった。両菌株ともケトン化合物であるシクロペンタデカノンを分解しないことから,分解の初発段階はエステル加水分解であると示唆された。また,EB3d株はEBのみ分解性を示したのに対し,EB11Lはすべてのエステル大環状ムスクを分解し,大環状ムスクの生分解性はエステル結合の有無によることが示唆された。