Journal of the Japan Petroleum Institute
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総合論文
様々な構成元素を有するアパタイト化合物の触媒特性—エタノールからの1-ブタノール合成および乳酸からのアクリル酸合成に適する固体酸塩基触媒—
恩田 歩武
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2026 年 69 巻 4 号 p. 181-191

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抄録

代表的なアパタイト化合物であるハイドロキシアパタイト(Ca10(PO4)6(OH)2)は骨や歯の主な構成成分であり,生成しやすく,構造安定性が高く,有機物質との親和性が高い無機物質である。加えて,構成元素のCaをSrやPbで置換,PをVで置換,およびその組成比(Ca/P)を1.5~1.7の範囲で変えられる。そこで,我々は様々な元素の種類や組成比を有する結晶性の高いアパタイト化合物微粒子を水熱法により合成し,目的の反応に応じて表面酸塩基性を最適に調整したアパタイト触媒の開発を目指した。バイオマスから得られる代表的な低分子化合物であるエタノールと乳酸の化学変換に対して,それぞれ優れた触媒特性を示すことを明らかとした。エタノール変換に対しては,構成元素によって生成物選択性が大きく異なること,1-ブタノール選択性ではSr/P比の高いSr–Pアパタイトが優れていることを見出した。このSr–Pアパタイト触媒は,適度な酸塩基触媒活性および不飽和吸着種への水素添加活性を有することを明らかとした。一方,乳酸変換に対してはCa–Pアパタイトが約80 %の高いアクリル酸収率を示すことを見出した。特に,一部のCaイオンをNaイオンで置換することでアクリル酸収率が飛躍的に向上した。Na導入による触媒表面の酸性サイト(副生成物のアセトアルデヒド選択性)の減少が主因であり,また過剰なNaイオン添加は塩基性サイトにより活性劣化が促進されるため,アパタイト構造の化学量論組成比に対して過不足なくCaサイトをNaイオンで置換することで,高いアクリル酸収率と活性劣化の抑制を可能とした。

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