2026 年 69 巻 4 号 p. 211-217
未利用資源の有効活用の観点から,これまでゼオライトおよびその類縁化合物の合成においてほとんど使用されてこなかった結晶性石英や石英ガラス端材を用いたMFI型シリカライトの合成が行われている。結晶性石英を一度高濃度の水酸化ナトリウム水溶液中で加熱溶解処理することでMFI型シリカライトの合成ができることが分かっている。本研究では,石英からのMFI型シリカライトの生成においてゲルおよび母液中のシラノール量がどのような影響を与えるかについて分散分析および重回帰分析を用いて検討した。その結果,ゲルにおいては表面シラノール量が多いほど,母液においては溶解している単量体ケイ酸イオンの割合(シラノール量に対応)が多いほどMFI型シリカライトの結晶化度が低くなることが分かった。さらに,ゲルと母液の間に相互作用が存在し,これはMFI型シリカライトの結晶化度に正の影響を与えることが分かった。