抄録
メチルスズS-トリスおよびジメチルスズS-ビス (2-エチルヘキシルチオグリコレート) (IおよびII) の鉱油に対する抗酸化性を調べ, 2,6-ジ-tert-ブチル-p-クレゾール (BHT), フェノチアジン (PA) と併用したときの効果も検討した。常圧下で170または180°Cで空気を吹き込み, 過酸化物価を測定する試験法では, I, IIはいずれもBHTまたはPAより優れた結果を示し, BHTとの相乗効果も顕著であった。しかし水の共存下で酸素を吸収させるRBOT法では性能は低かった。I, IIはいずれも基油中の過酸化物を分解する性質が認められた。いくつかの標品と性能を比較しながら, I, IIの抗酸化機構を考察し, これらはラジカル捕捉と過酸化物分解の両機能を持つことを推察した。