石油学会誌
Print ISSN : 0582-4664
モリブデン系多元酸化物触媒によるブタジエンの気相酸化
早川 孝秋元 正道越後谷 悦郎
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1982 年 25 巻 6 号 p. 343-348

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抄録

Mo-Ti系酸化物触媒を用いてブタジエンを気相酸化し, 無水マレイン酸の収率と触媒構造との関連および第三成分の添加効果について検討した。まずMo-Ti二元触媒の最適組成を調べたところ, Mo-Ti (1:1) 触媒が最も活性や選択性にすぐれていた。次に第三成分としてBaを添加したところ無水マレイン酸合成能はさらに増大し, Mo-Ti-Ba(1:1:0.05) 触媒では430°Cにおいて無水マレイン酸収率55.7%, 同選択率57.4%が得られた。これらの結果から, Mo-Ti二元触媒へのBaの添加は生成した無水マレイン酸の逐次酸化を抑制するものと思われた。さらに触媒の酸化還元特性をESRを用いて検討した。

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