1983 年 26 巻 4 号 p. 264-271
噴流層で容易にガス化しうる外表面積の大きなコークを製造する目的で, 流動層実験を実施した。溶融した石油ピッチを, 無機粒子を用いた流動層反応器で熱分解し, 付着したコークを無機粒子から, はく離させて, 連続的に微粉コークを得た。反応器は流動層, 移動層と希薄層から成り, 無機粒子は3層間を循環する。コークの付着した粒子は, 移動層で加熱され熱処理される。アルミナ粒子とジルコン粒子を用いた実験により以下の知見を得た。(1)コークの付着した無機粒子を熱処理するとコークは無機粒子からはく離する。(2)微粉コークの形状は偏平で, 厚みは数μmである。(3)表面粗さの小さな無機粒子は, コークのはく離を促進させる。