残油分解生成物トランスファーラインにおけるコーク析出防止条件の確立を目的に, コーク析出量と管壁温度および原料軽質化の効果を検討した。実験装置は二塔循環流動層を用いた。トランスファーラインの一部を析出コークの測定管とし, 管壁を430~560°Cの範囲のある一定温度に保持した。原料油は減圧残油および減圧と常圧残油の混合油を用い, 505°Cで15時間分解した。その結果, コーク析出量は管壁とガスの温度差によって整理することができ, 管壁温度がガス温度より低い条件では温度差が大きくなるほど増加した。また, 原料の軽質化によってガス中の高沸点留分量が減少し, コーク析出量は減少した。