シクロペンタジエンン (CP) の利用についての最近の研究結果をまとめた。
CPと1, 3-ブタジエン (BD) の環化付加反応によって得られる1:1付加体の位置選択的なエポキシ化反応が酸化剤に過酸化水素水, 触媒にヘテロポリ酸を用いることにより達成された。ノルボルネン骨格をもつ付加体はエタノール中ニッケル錯体とNaBH4のような適当な還元剤の存在のもとで良好な収率で二量化された。CPとBDの共二量体の一つであるテトラヒドロインデンはFe(CO)5によって不均化反応を受けヘキサヒドロインデンとインダンをほぼ理論的な収率で与えた。エチレン-プロピレンゴムの第三成分として用いられている5-エチリデン-2-ノルボルネンの一段合成がCPとBDのチタノセン触媒による反応と, CPと1, 2-ブタジエンの Diels-Aldcr によって達成された。